3月1日(木)、ヘルスケアオンライン株式会社の谷田昭吾さん、健康情報配信サービス「Pep Up(ペップアップ)」を開発・提供している宮原禎さんをお招きして「ヘルスケアシティ-健康から考える街づくりの未来-」と題したトークイベントを開催しました。
これまで過去5回に渡り開催してきたトークセッションシリーズですが、今回は初めて「健康・ヘルスケア」をテーマにした会となりました。まずはゲストお二人によるプレゼンテーションから始まりました。
タニタ創業者の祖父、2代目の父の背中を見て育ったという谷田さん。タニタはもともと、ライターやシガレットケースの製造販売からその歴史が始まり、1959年に体重計を発売、そして、私たちもよく知る「体脂肪計」を発売したのは1994年のことでした。同社で新規事業・新会社立ち上げ等にも関わった谷田さんは、2004年にはすでに、個々人の健康状態をモニタリングするためのツール開発に着手していたとか。体重計や血圧計の情報を無線でつなげてモニターに映し出すだけでもとても大変だった、というお話からは、10年以上たった今、テクノロジーがどれだけ進化したかを思い知らされます。
現在は独立され、病気などを治療でマイナスを0にするのではなく、健康な状態で生産性向上・強みの形成を行う、0をプラスにするための心理学である「ポジティブ心理学」を学び、講演などを通じて啓発活動をされています。健康づくりやダイエットは、どうするのがベストか分かっているけどなかなかできない、という世界。自分自身の感情をコントロールするためのメンタルヘルスケアをフィールドに活動されています。
宮原さんが開発・提供しているPep Up は、日々の生活や仕事の中での健康管理や通院歴・薬歴を手元ですぐに確認できるアプリです。中でも大事だとおっしゃっていたのは「健康年齢」を意識してもらうこと。健康年齢が若返ると予測医療費が下がる、と可視化することで目標設定とモチベーション維持につなげています。「日本の皆保険制度はいい面もありますが、経済原理とは乖離している」との指摘にはあちこちで頷く人がいました。医療費がかかるという事は、その費用をみんなで負担しているという事。分かっていても意識しにくい部分をアプリで可視化しています。
また、新潟市での実践もご紹介頂きました。塩辛い食べ物が多く、お酒好きな人が多い土地柄で医療データを分析すると、脳血管疾患(脳梗塞や脳卒中など)の受療率が全国に比べて高めであることがわかったそう。しかしながら、地域の文化を否定してしまうことはしたくない、との思いから「新潟ヘルスフードプロジェクト」と名付けた、地域の食材やソウルフードを減塩、工夫を凝らして新規商品を開発するプロジェクトを立ち上げました。地域の健康課題は地域の健康消費ニーズでもある、とポジティブに捉えることで、地域企業の健康マーケットへのPRを促す取り組みです。
ここからのディスカッションパートからは、株式会社ディー・エヌ・エー CHO室の平井孝之も参加。平井は健康経営アドバイザーとして、企業が従業員の健康をサポートし、いきいきと働くことで生産性をあげていく、という取り組みを2016年に始動しました。始めた当初の社内調査アンケートによると、社員の健康状態が悪いことで発生する年間の経済損失は23.6億円と推計されたとか。現在は徐々に活動の成果が現れ、健康・ヘルスケアが社員同士の話題にものぼるようになったそうです。また、DeNA以外の企業との連携もはかり、健康経営をめざす議論、イベント等を行っているそうです。
ゲスト各々の取組みを振り返っていただくと、意識の高い人と興味のない人のギャップが大きい、という事がヘルスケアの世界では共通して問題になっているということがわかりました。たとえ加療中であっても、いかに健やかにいられるか、という事への意識は千差万別なのだそうです。
会場からはいま健康に意識が向いていない人を引き上げていくために、地域で機運を作っていく重要性に気づいた。との声が聞かれました。
平井からは、健康のことを働きかけるときには顔が見える距離で行うことが大事、という言葉も。Chief Health Officerのまち版「まちのCHO」という面白いアイデアが飛び出しました。まちの健康経営という観点では、マイナスから0ではなく、0からどれだけプラスを作っていけるか、そして楽しい事・ストレスが無い事が重要であるということが見えてきました。
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