6月21日、CREATIVE SPORTS LABにて「Sports×Fashion ―世界的スポーツブランドの裏側―」と題したイベントを開催。NEW BALANCE JAPANよりフットウェアの企画を担当されている正能哲也さん、聞き手はFORZA STYLE シニアエディター谷中龍太郎さんを迎えてのトークセッションとなりました。
NEW BALANCEの本社はアメリカ・ボストンにありますが、アジア拠点として東京と香港にチームを置き、アジアモデルの開発を行っています。
正能さんは、新製品の企画・開発だけでなく、商品の値付けやパッケージの見せ方、PRの方針など、新製品が生まれ、ユーザーの手に渡るまでのプロセスを一貫して手がけられています。一つのモデルが発売されるまでは、およそ1年半の期間を費やすとか。今企画している製品は再来年、店頭に並びます。
NEW BALANCEの企画者として、1年以上先のトレンドを一体どのように見据えているのでしょうか?さっそく谷中さんが疑問を投げかけます。
実は長年NEW BALANCEに携わってきた正能さんでさえ、未来のトレンドを予見することは至難の業だそう。開発メンバーの定例会議や、出会った人から見て聞いたことなどから、様々なヒント得て企画をするそうです。そして、必ずいつも、これまで発売してきた製品のアーカイブを見返しているとのこと。100年以上の歴史をもつNEW BALANCEには、誰もが知る「定番」の良さがあります。ブランドのDNA=変わらない良さ、を守りながら少しずつ進化を重ねて来たことを、いくつかの定番ラインの変遷とともにお話いただきました。
今でこそ普段着のファッションに自然に取り入れられているNEW BALANCEのスニーカーですが、ここまでの道のりは決して簡単なものではなかったと、お二人は語ります。2013年のNEW BALANCEコンセプトブックの制作にあたって協働したお二人。THE・スポーツなあり方ではなく、普段着に合わせるスニーカーのスタイリングは、「本当に受け入れてもらえるだろうか?」と不安になりながらの提案だったそうです。しかし、結果はご存知の通り、元来スポーティーなスタイルを好む人から、コンサバティブなスタイルを好む人まで広く浸透するようになりました。正能さんは、この広がりは、NEW BALANCEの発信に加えて、震災を経て変化した人々のライフスタイル・価値観や、街にいくつもランニングステーションが整備されるようになった社会の変化が上手く合致した結果ではないかと分析されていました。
また、初めて手にした一足目の履き心地でユーザーが虜になってしまう、というのもNEW BALANCEの特徴だそう。
元々矯正靴を起源に持つため、例えばキッズシリーズも、その履き心地と機能性は太鼓判ものだそう。子どもたちから、「これ履きたい!」という声が上がることもしばしばだとか。また、最近は親子のペアルックなど楽しみ方も広がっています。正能さんは「一足目を持ってもらうまでが大変」ともおっしゃっていましたが、ひとたびその機能性を知ったことで根強いファンを獲得できるのはNEW BALANCEが培い、守ってきたデザイン哲学の賜物なのだと思います。
最後に、お二人の話はスニーカーの未来に向かいます。
10年後であればスニーカーの見た目に大きな変化はなさそう、100年後であればいつまでスニーカーを履いているか?に興味があります、と正能さん。人間の身体の形はそう変わらないだろうし、未来は今の延長線上にあるのだから、びっくりするような変化は無いのでは、と語りました。その一方で、最新の技術や素材は積極的に取り入れ、実験を行っていきたいともおっしゃっていました。
谷中さんからは、アメリカ発をそのまま輸入しない「日本らしいアスレジャー」への期待も寄せられました。たしかに、日本の街中でヨガウェアをそのまま着るのはまだまだ一般的ではないですよね。これに対しても、正能さんは地域差や文化のバックグラウンドは考えるべきであり、難しいけれど面白いポイントですとの答えが。NEW BALANCEの東京チームだからこそのアイデアを提案していきたいとの抱負を語りました。
やはり作り手の持つストーリーを知ると、プロダクトを試してみたくなります。今回のイベント参加者にも「ずっとNEW BALANCEのファンなんです」と声をあげる方がたくさんいらして、作り手とユーザーがぐっと近づきお互いの率直な思いを語りあえるイベントとなりました。
〒231-0021 神奈川県横浜市中区日本大通34
みなとみらい線「日本大通り駅」2番出口より徒歩4分
JR京浜東北・根岸線「関内駅」南口より徒歩7分
横浜市営地下鉄ブルーライン「関内駅」1番出口より徒歩7分