2018.12.23
【イベントレポート】12/14(金)
「YOKOHAMA PARK LIFE #2-公園からまちが変わる!!」
―CREATIVE SPORTS LAB TALK EVENT 010

  • CREATIVE SPORTS LAB

12月14日、CREATIVE SPORTS LABにて、トークイベント「YOKOHAMA PARK LIFE #2-公園からまちが変わる!!」を開催しました。面白い公園づくりの達人を招き、「横浜のパークライフ」のこれからを考えるシリーズイベントの第二弾。3人のゲストを中心とした議論は、公園で提供する空間やコンテンツにとどまらず、その背景として醸成される文化やマインドにまで及び、内容の濃いイベントとなりました。


イベントは、3人のゲストの、自己紹介を兼ねたプレゼンテーションから始まりました。

テクノロジーで公園を面白くする 齋藤精一さん

株式会社ライゾマティクス代表取締役の齋藤精一さんは、最新テクノロジーを活用したインタラクティブコンテンツで都市計画にも携わっています。マーケティングや安全・安心を重視する行政・デベロッパー側と、エモーショナルに文化やブランドを志向するアーティスト側の、「共通言語がなくて乖離している両者の間をやっている」とのこと。

具体例として、公園で手がけた事例もご紹介いただきました。東京ミッドタウンの芝生広場で今秋に開催した「PARK PACK」では、ツールやテクノロジーの活用と禁止事項の撤廃で「ミライの公園」を追求し、大きな反響を得たそうです。


ツールやテクノロジーを使って手がけた来た事例を話す齋藤さん

ピクニックで公園の価値を考える 伊藤香織さん

東京理科大学で教授を務める伊藤香織さんは、2002年に結成した「東京ピクニッククラブ」の活動を踏まえ、現代の都市の公園に求められている社会的ニーズを説きました。

東京ピクニッククラブは「公共空間賛美」や「創造性を引き出す」などをコンセプトに、国内外の公園や公共空間を訪れ、”フィールドワーク”としてピクニックを実践。ピクニックをやろうとすると、芝生に立ち入れない公園があったり、禁止事項の”グレーゾーン”に該当して係員に困った顔をされたりと、それぞれの公園や公共空間の自由度を肌で感じています。

伊藤さんはピクニックを「工業化や過密などで、都市環境が悪化したことによって生まれた社交」と位置づけ、「人と出会い、語り合い、自然や文化を楽しむ権利」の重要性を強調。都市の公園はそのためにあり、「消費するだけでなく、文化を創造する場であってほしい」と思いを込めました。


ピクニックを実践して感じた公園の価値を語る伊藤さん

規制緩和からの公園リノベーション 町田誠さん

東京都公園協会特命担当部長の町田誠さんは、「公園がガチガチに管理されて、うまく使わせてもらえない」「日本の都市はオープンスペースできれいなところが少ない」と自身の問題意識を共有し、江戸時代以前からの公園の歴史や、前職の国土交通省時代などに取り組んできた規制緩和とそれによって実現した公園リノベーションの事例を紹介しました。


公園の歴史を踏まえてリノベーションの事例を説明する町田さん

さらに、「なぜ公園が必要か?」という問いに対し、「広場のような空間とアクティビティにより、まちに暮らす感覚や愛着が市民に醸成され、その”シビックプライド”が都市をよくする原動力になる」という答えを提示。公園を考える際の志向が、「公園本体そのもの」から「公園ユーザーの満足」、さらに「よりよい都市・エリア(をつくること)」へ変遷し、これからは「全員の自己実現」、つまり「ユーザーも管理者側もプレイヤーとして充実した時間を過ごせる公園」へと高度に成熟してきていることも説きました。


町田さんが説明した、公園に志向されるものの成熟

市民が楽しんでいる公園は、外からの人にも心地良い

後半のクロストークも、内容の濃いものになりました。

最初のトピックは、DeNAが取り組む「スポーツタウン構想」を念頭に置いた、「市民にも、外からの人にも愛される公園を実現する方法」。町田さんが「横浜の市民が楽しんでいる風景を発信できれば、外から来た人も”乗っかって”、思い切り楽しむことができる」と、まず市民が公園を楽しむ風景をつくることの重要性を強調。世界中の300を超える都市を訪ねた伊藤さんも、「たとえばクリケットをやっている公園に、私がただ座っていてもおかしくない。そんな風に、まちの日常に身を置いて『まちの一員になれた』と錯覚できるような公園があると、そのまちを好きになる」と同調しました。

ゲストからは、「横浜への期待」を込めた言葉も。「ウォーターフロントが東京に比べて美しい。横浜から見える風景を、気持ちよく体験させてあげてほしい」(伊藤さん)などと、横浜が有する個性は3人からも高評価。その上で、齋藤さんは「横浜は東京には勝てない。イギリスのブリストルとロンドンの関係に似ている。2番なら失敗ができるから、バンバンやり続けてほしい」と攻撃的なスタンスを提案しました。町田さんも、「公園ごとの最適解がある。法令があっても、本質的に何が問題なのかを考え、困る人がいなければ社会実験として果敢にやってみるべき」と続きました。


白熱した議論の様子

公園を“自治区”ととらえ、許容し合う文化をつくる

公園をつくっていく上で大切な視点についても、示唆に富んだ発言が続きました。伊藤さんは、ピクニックで大切にしている5つの指標「居心地(地面の質)、眺望、管理、交通の便、穴場度」を挙げつつ、「夕日が沈むシーンの美しさ、のようなエモーショナルで数値化できない部分も見逃さないでほしい」とも。齋藤さんは、「どれだけ”自治区”になったか」という視点を挙げ、厳密には禁止のスケボーに対して関係者が「事故がないなら良い」と寛容になっている事例を紹介しました。町田さんも「多様な遊び方があって、いろんな人を許容し合うカルチャーをつくるのがチャレンジ」と文化的マインドの醸成を重要事項として挙げました。

公園づくりに誰が関わっていくのかも重要です。町田さんによると、「最近のうまくいっている公園は、造園や公園の関係者ではない人が、常識ではできないユニークな発想でやっている」そうです。齋藤さんも「公園を運営しても儲からないこと」を現状の問題ととらえ、「ファイナンスマーケティングが分かる人が入ってやると、公共空間がめっちゃ面白くなる」と強調しました。


(左から)齋藤さん、伊藤さん、町田さん

良い公園とは?

議論は、来場者からの質問に応える形で、良い公園の事例の話へ。イベントやカフェだけでなく「高くないテンションで、落ち着いて使える場も大事にしたい」というスタンスの伊藤さんは、シドニーのオペラハウスを例に「周辺にはオペラを見たあとに語り合える場所がある。体験がつながり、感情が動いていくような空間が良い」としました。「ソフトが成長し続ける公園」を挙げたのは齋藤さん。モトクロスのバイクコースがユーザーによってブルドーザーで更新されていくのを事例に、「飽きたときに、地形が変わる公園をつくりたい」と話しました。

齋藤さんがもう一つ、最後に紹介したのは自宅の庭。小学生が集まってきて基地をつくったり、夏はBBQの匂いに近所の人が酒を持って集まってきたりして、みんなで映画を見たこともあるそうです。家の前は私道で、子どもなら野球やサッカーをすることもできますが、近所の安全のために「硬いボールを使うときは公園へ」と自分たちで必要なルールを策定しています。これは、庭という「最小単位」ではあれど「自治する理想の公園」をつくるプロセスそのもの。齋藤さんは「自分たちの公園を自分事にしていくためにつくるのが、本当のルール。小さなところからはじめて、大きな公園的なものにつなげていくという考え方もあるのかもしれない」とまとめました。

予定の時間を超えて、計2時間半にも及んだイベント。公園で「何をするか」というコンテンツだけでなく、「どうつくっていくのか」というプロセスや、「誰がどう関わるのか」という関係性など、さまざまなヒントにあふれた会となりました。

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