CREATIVE SPORTS LAB(CSL)は6月24日、シリーズイベント「野球で防災イノベーション」の第2弾として「商品開発アイデア会議」を開催しました。
前回に引き続き、防災の最前線を行く太刀川英輔さん、大木聖子さん、酒井希望さんの3名をゲストに招き、横浜DeNAベイスターズの商品開発担当を交え、具体的な商品のアイデアや、「防災の日のスタジアムの活用法」を考えました。
異なる立場のゲストや参加者の防災についての意見が、ざっくばらんに交換され、さらに新しいアイデアへと発展すると同時に、実現への具体的なアプローチも見え始めた、実りのある会となりました。
【前半:ショートレクチャー・アイデア紹介】
前半ではまず、3人のゲストが、イベント第1弾のテーマであった「楽しい防災」について、前回からさらにアップデートされたアイデアを発表しました。
地球科学者で防災教育にも尽力している大木さんは、専門的な言葉で語られることが多い防災を、野球ファンが知っている「感覚」に置き換えて伝えることを提案しました。
大木
たとえば、「マグニチュード7の強い揺れは10秒続く」ことを伝える時に、「投球前のサイン交換の平均時間は10秒」「横浜スタジアムと同じ面積の断層がずれても、マグニチュードは2程度」と言えば、少し身近に感じられないでしょうか?
電通と協働して「東京防災」を手がけた太刀川さんはまず、ベイスターズが防災に取り組む意義をあらためて強調しました。
太刀川
ベイスターズは横浜のシビックプライド作りに最も貢献している企業です。だからこそ、横浜の守備力を上げるグッズを開発したという実績を残してほしいんです。
野球観戦と防災の共通点を踏まえ、多彩な商品アイデアも提案。
太刀川
野球も防災も、グッズは日常では使わなかったり、うるさい音が出せた方が良かったり、季節ごとに必要なものがあったりする。春先における花粉症対策用マスクや、夏のクール系グッズなんかを、観戦と防災の兼用グッズにできたら最強ですよね。
コクヨ株式会社の防災ソリューション事業部で防災をデザインする酒井希望さんは、機能が重視されがちな防災グッズだからこそのデザインの重要性を主張しました。
酒井
防災グッズがいざという時にすぐ使えるためには、『これなら身近に置いても良い』と思える、きれいなデザインが大事です。日頃のルーティンの中に防災を取り入れることにもつながります。
日常ではメリットが見えにくい防災の特性も踏まえ、グッズの価値を実感できるような工夫にも触れました。
酒井
たとえば備蓄品も、日常的には「備えておいて良かった」という実感がない。「これがないと、数億人が亡くなります」よりもリアリティーのある、「もし今ここで地震が発生し、家に帰れなくなったらどうしますか?」に答えられる商品が必要だと思います。
【後半:観客参加型アイデアワークショップ】
イベント後半は27名の参加者を交えたグループワークで、防災の日にスタジアムを活用してできるアイデアを考えました。「防災キャンプ」「選手と一緒に行う防災運動会」「サバイバル合コン」「ハマスタに逃げ込め」など、楽しみながら市民の防災力を高めるアイデアが続出。ゲストが専門や経験を踏まえてフィードバックを重ねました。
2つのグループから提案された「防災キャンプ」。
1つ目のグループからは、炊き出しやテントづくり、エコノミー症候群予防体操など、防災スキルが高まるアイデアが提案されました。
太刀川
防災ではなくキャンプを軸に語ることが、とても大切です。「キャンプのついでに、防災も考える」ことが伝わるキャッチコピーを考えたいですね
酒井
防災グッズを扱う難しさは、ユーザーの声がほとんど聞けないということ。だからこそキャンプとなれば、いろいろな意見がたくさん聞けるので、スポンサーがたくさんつきそうですね(笑)
2つ目のグループからは、親子参加型の防災ゲームやP派S派ウェイブの再現など、最初のグループとは違った視点のアイデアが提案されました。
太刀川
防災ゲームでは、子供たちがヒーロー感を味わえるといいですね。「僕が家族や友達を守ったんだ!」という感じに。
酒井
一般的に私たちにとって、防災訓練は仕方なくやっているもの。それをゲームとして心から楽しんでいる子供達をみれば、大人達の意識も変わりますよね。
3つ目のグループは、選手たちも参加し、地震に関するクイズなどを織り交ぜながら行うスポーツ大会を提案。
酒井
憧れの選手と一緒に運動するという体験は、一生の思い出になりますよね。防災が一気に特別なものになる。
太刀川
津波が届かない高さまで早く辿り着いた人が勝つというレース種目はどうでしょうか。防災に必要な知力と体力が両方試せそうですね。
大木
防災運動会の存在を知った小学校が、「来年は家でもやってみよう」という流れになるのが理想ですね。
4つ目のグループからは、防災合コンが提案されました。当日は一人でスタジアムに来る、スマホの充電は10%以下などのルールで、極限状態を作り出すというアイデアが印象的でした。
大木
防災合コンをするのであれば相手は間違いなく自衛隊!(笑)
酒井
防災力を見せつけることができれば、参加男子はモテそうですよね。「男の魅力=防災力」という構図が重も白い。
最後のグループからは、選手御用達の道具やドリンクを提供する、ランタンでインスタ映えする光景をつくりだすなど、いろいろなアイデアが盛り込まれたイベントが提案されました。
大木
以前、子供たちと一緒に作ったペットボトルランタン、確かにインスタ映えする光景でした!SNSで拡散すれば、いろいろなきっかけで、はじめは防災に全く興味のない人たちにも届けることができますね。
太刀川
タイトルがとても良いと思います。「防災力ナンバーワンのスタジアム、ハマスタ」と言えたら、ブランドとしてとても強い。小さなことでいいから、防災に備えるためのアイデアをいくつも考えて、片っ端から実践していくのはどうでしょう。
【まとめ】
アイデア発表会は、前回にも増して大盛況のうちに幕を閉じました。
このイベントを通じて、そもそも「防災」は、誰もが共通の言語として話すことのできるテーマであるという大きな気づきがありました。立場が違うゲストと参加者、それぞれの防災に対する思いが、この場で混ざり合い化学変化を起こすことで、より一層新しく面白いアイデアへと発展し、実現した先にある価値も見えてきました。
ゲストや参加者から得られたたくさんの学びやアイデアをもとに、今後もベイスターズとしてできることを考えていきたいと思います。
アイデアを具現化する防災グッズの開発やイベントの企画など引き続き、検討していきますので、今後もご注目ください。
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