CREATIVE SPORTS LAB(CSL)では2月14日・15日の2日間にわたって「Next Ballpark Meeting #3 with BAYSTARS Sports Accelerator –試合日のまちに新しい仕掛けを!」と題したイベントを開催しました。
前半の様子はこちらから#3 with BAYSTARS Sports Accelerator –試合日のまちに新しい仕掛けを!(前半)
2日間のグループワークとビジネスレクチャーを経て、いよいよ、2日間の成果を発表する時間です。グループごとの新事業アイデアをご紹介します。
今回は1日目に登場した富田欣和さん、ビジネスレクチャーに登壇した原・野田に加えてブランド統括本部 本部長の林がフィードバックを行ないます。「横浜DeNAベイスターズの」新規事業として話題性・経済効果・公共性・実現可能性の観点からのフィードバックに加えて、最優秀チームの選出も行ないます。
チーム名:YFF
テーマ:観光客にワクワクを―旅行者向けアプリ
横浜市の旅行者3400万人/年=10万人/日(スタジアムの観客数の2.5倍)をいかにスタジアムやベイスターズに引き込むか。神奈川県・横浜市・観光協会等を巻き込んで、日英中に言語対応した観光情報アプリの提案でした。観光情報、もしもの時の情報、提携店舗の限定クーポンなどを配信してベイスターズPV会場・飲食店舗への来場を促すというもの。
[フィードバック]
富田:旅行客(仕事等も含む)なのか?観光客なのか?混在している。ターゲットとしては別ものだと思うので、ターゲット設定をもっと詰めてほしかった。
林:横浜市の人口が2019年をピークに下がっていく中で、インバウンドの取り込み方は重要だと思っている。横浜への観光客は中国圏からの人々が多いが、野球との親和性が低い相手でもある。PVへの案内が果たして有効か。「スタジアム外」の空間設定が、横浜市の外(海外等)でも考えられるのがアプリの良さ。試合を配信するなど、もっとストレートな方法は考えられそうだと思う。
チーム名:逆転サヨナラ満塁ホームラン(3点差)
テーマ:BAY WALK―三年後に7億円
ライトファン(20代男性/ベイスターズ好きだがファンクラブには入ってない/年間2〜3回観戦)をターゲットに、横浜を人々が集う場所にするための企画を提案。
街の中に隠されたキーワード(QRコードなど)を見つけて明らかにしていき、アクションに対してリワードがもらえるという実空間とオンラインを組み合わせた探検アプリのアイデアでした。さらに、チェックポイントのサイネージから「100人参加の食べ飲み放題(スポンサーコラボの企画)」にエントリーができるなど、思わずSNSでシェアしたくなるような企画展開で、新たな経済効果を創出することを狙いました。
[フィードバック]
野田:ベイスターズ的には観客(チケットを持っている方)の球場での体験時間を長くしたい、という思いがあります。試合前に横浜の街を探検させることにハードルの高さを感じている。
発表チーム:試合日には試合前や試合中のアクションでリワードが貰えるなど、イベントとしてもいいと思っている。
河村:コンテンツとして「野球を見る人」をもっとターゲットとして明確化してもらえるとよい。新規事業としてリソースを割くという判断をするために。
チーム名:157
テーマ:ファンが楽しめるまちづくり/市内の観光客を増やす/ついでに野球を見る
ベイスターズだけでない野球ファン(ビジターファン、他球団ファン、にわかと呼ばれる人達)をもターゲットにしたフェスティバルの提案。ランドマークタワー等、スタジアム外でPV・球場飯ブースやライト層向け・コア層向け著名人それぞれをゲストに迎えるトークイベントなど、文化祭のようなイメージで「ついでに野球を見る」を演出。野球をフックに色々なコミュニティのブースをつくり、野球好きの関係人口を増やすというアイデアでした。
[フィードバック]
富田:コア層になればなるほど、他球団ファンとの繋がりは薄くなる(むしろ嫌い合う)のでは?
発表チーム:まずは仕組み作りから始まると思う。時間はかかると思うけれど、新しい文化だと思っている。(横浜スタジアムのBOXシートで他球団ファンと飲みながら観戦するイメージ)
原:「ついで」の価値観は魅力的だと思う。「ついで」に来るためのあと一歩の仕掛けが難しいところ・・
林:もっと体験形式でもいいかもしれない。地域のまつりや名物同士の戦いなどを参考に、試合以外の体験で「よし、参加して応援しよう」と思える工夫を考えたくなる。
チーム名:横浜市ベイスターズ区役所
テーマ:ファンサービスの進化と次世代ファンの創生
「ベイスターズ区」というプロジェクト名でファン層にあわせた部署を組織し様々な街なかでの企画を提案したチーム。
既存ファン層に向けては街なかにSSMR(=広告が話しかけてくる最新技術)機器を設置して選手との交流ができたり、情報発信をするサービスを提案しました。この技術を使うと身の回りのものを「喋るキャラクター化」できるので、選手ポスターやマスコットが話しかけて会話ができるそうです。
そして、潜在ファン層に向けてはよりペルソナを具体化して3S女子(野球なんて知らない・知る気もない・知ったこっちゃない)と3K女子(関内なんて来ない・興味ない・考えたことない)を定義。横浜デートに3S/3K女子を誘うための、女性視点の野球体験や観光と観戦のクロスサービスを提案しました。
[フィードバック]
原:3S女子問題はどうにかしていかないと、と思っています。自宅からスタジアムの間に抵抗を薄めていく仕掛けだと思うが、ベイスターズらしさやベイスターズならではのポイントがもっと必要では。
発表チーム:ベイスターズ×有名ブランドのコラボコスメなど魅力的だと感じる。ベイスターズにピンとこなくても、コスメには興味があるのでそちら側に入口があるといいと思う。
林:女性に好まれるブランドコラボへの興味からベイスターズ観戦の間には結構大きなギャップが有るのでは。
発表チーム:時間がかかるとは思う。観戦するのは敷居が高い・踏み込めない、への一つの後押しにはなると思う。広告のフックなどと組み合わせていければ。
河村:ガールズフェスでの企画で、美容師さんを呼んでくるなどやってみたことがある。いかに女性へのアプローチをとるかは考えたいと思っている。また、街への染み出し方や街での接点の作り方という点では、今行なっている広告施策と同じ方向を向いていると思う。
チーム名:バスターホームラン
テーマ:第2のハマスタ―将来のベイスターズファンを育てる
横浜全域をフィールドに試合前〜中〜後の時間軸を設定し、子供と保護者を対象としたスポーツを通して子供が育つ環境の提案。
大学、公園等を「1日限りの横浜スタジアム」と見立て、キャッチボール可能なプレイゾーン、ストラックアウト、子供ケアのための場所を仮設的に設置。普段観戦に行きたくても行けない保護者が、子供を連れて行ったついでに見れるようPV会場にもなります。スモールスタートしやすいアイデアで、上手く行けば市内を点々とキャラバンしたり、同時に何箇所にも展開できる可能性を持った案でした。
[フィードバック]
富田:欧米のスポーツクラブは父兄がチーム収益への還元のためにボランティアしている。その文化が横浜でも育てば、父兄の力も借りて自分の地域のチーム+ベイスターズにも還元される仕組みになりそう。(このイベントの収益は〇〇小学校の野球道具になります、のような)
※日本では部活動等への寄付金のための銀行口座が持てない(父母会は任意団体なので)。もしベイスターズが口座管理できるなら、寄付を受けれるようになるし、仕組みとして動かせる可能性がある。
林:野球をする子供を増やすことが目的?
発表チーム:野球を「する」はやる/やらないの二極化しているので中間層を育てたいと思っている。公園でキャッチボールしてはいけない、などそもそもの問題解決もある。
原:(ベイスターズホーム戦への横浜市民)小学生招待では、地理的な遠さがハードルになっていると感じている。
野田:大目標は好感度大。YDBの課題感としても、IKEAに子連れで行ける感じを野球でもできるか、を考えはじめたところ。
2日間をともにしたチームワークで、それぞれ密度のある提案が集まりました。フィードバックにも熱が入り、少し辛口でしたが真剣な議論を生んだ今回のアイデア発表。最優秀は「バスターホームラン」チームが選ばれました!
選定理由:
「ベイスターズ区役所」チームの案は完成度・実現性ともに高かったですが、「バスターホームラン」チームの案はベイスターズ社内でこれまで考えてこなかった内容だったことが高評価に繋がりました。また、自分たちではなく、地域の力にまかせてみるということに可能性を感じました。
「バスターホームラン」チームの全員に、副賞としてCSLコミュニティラウンジの半年間使用無料権(2020年8月まで)をプレゼント。ここから8月までの間に、アイデアのスモールスタートの方法をみなさんと一緒に考えていくことになりました。ぜひ今後の展開にもご注目ください。
参加した皆さん、2日間たいへんお疲れさまでした!
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