1月26日、CREATIVE SPORTS LABでは「Next Ballpark Meeting #2 -試合がなくても楽しめるスタジアム」と題したイベントを行ないました。
昨年末に開催された同シリーズ「#1 -横浜のまちに飛び出すベイスターズ!」はコチラのイベントレポートをご覧ください。
横浜DeNAベイスターズでは、試合開催日かどうかにかかわらずスタジアム内外の活動をより活性化させるために、スタジアム内/外、試合開催日/非開催日を組み合わせた4つのシチュエーションを想定し、新しい企画を検討しています。
これまではベイスターズ全社内から募ったアイデアをもとに様々なチャレンジを行なってきましたが、本イベントシリーズでは一般応募の参加者の方とともに、より自由にアイデアを広げています。
現在、増築・改修工事が進む横浜スタジアムは、2020年3月にこけら落としを控えています。改修工事が始まるタイミングで発表されたコンセプトムービーからは、江戸時代後期から現在までの横浜公園・横浜スタジアムの歴史とこれからオープンする3.5万人収容のスタジアムへの期待が描かれています。
街のど真ん中にあるスタジアムとして試合日以外にも街への広がりが期待される中、今回のイベントでは「非試合開催日×スタジアム内」をテーマに、ゲストからのインプットとスタジアムツアーを行なってのアイデアディスカッションを開催しました。
まず最初に登壇いただいたのは上林功さんです。建築設計事務所に勤めていた時には10年間スポーツ関連施設を担当され、MAZDA ZOOM-ZOOMスタジアム広島の設計にも携わっていらっしゃいました。
上林さんのレクチャーでは、年間153万人が訪れ2700万ユーロ(推定)の収益をもたらしているスペイン、カンプ・ノウのスタジアムツアーの手法や、野球オフシーズンのスタジアムの”オフ”利用(ウインタースポーツでの利用)は実は昔から国内でも見られることなど、今回のテーマに沿って国内外のスタジアムの事例をご紹介いただきました。
「世界らん展(於東京ドーム)」と「国際バラとガーデニングショウ(於メットライフドーム)」の比較では、東京ドームそばの小石川後楽園の存在が催しとのシナジーを生み盛り上がりにつながっているという「スタジアム周辺との繋がり」にも注目されていました。
このレクチャーで示された目の付け所をもとに、参加者の皆さんはスタジアムツアーに出発します。
・野球以外のものも提供 ―複合施設としてのスタジアム
・スタジアムの"余白”に注目 ―増築で生まれる屋根のある屋外環境
・スタジアム周辺とのシナジー ―スタジアム内外両方の視点を持つ
・スタジアムの原風景※ ―市民が場を作り、活かす
※スタジアムの原風景と言われる、16世紀から続くフィレンツェの初期フットボール「カルチョ・フィオレンティノ」。教会前の広場を使い試合を行う市民主体の催しをご紹介いただきました。
スタジアムからTHE BAYSに戻ってきたあとは、グループごとにディスカッションの時間を設けました。各グループに横浜DeNAベイスターズの社員が参加することでより実際的なスタジアムの活用アイデアを出していきます。
アイデアを用紙にまとめたら、グループごとに発表を行ないます。発表されたアイデアにフィードバックを行うのは、ゲストの上林さんだけではありません。横浜スタジアム代表取締役社長・藤井謙宗と横浜DeNAベイスターズ事業本部チケット部部長兼飲食部部長・野田尚志の両名が、これからの運用を担っていく立場からもリアリティを持ってアイデアを受け止めました。
・ハマスタラン
横浜スタジアム2F(エントランス・コンコース)の高さでつながる予定の回遊デッキを使い、スタジアム内外を回遊するランニングコースの提案。他グループからも提案のあったこのアイデアには、「選手のタイムを計測して目標にする」「ランナーだけでなく自転車・BMXも入れるのはどうか」「ファン参加の大運動会」「ウィング席までの階段を使ったトレーニングメニューも考えられそう」という声が集まりました。
・フリーマーケット
ハマスタランのような野球以外の催しに合わせて、キッチンカーの設置やフリーマケットを開催するというアイデアも出ました。この場所ならではのフリマとして「ファンによるグッズ売買、交換会」や「選手によるチャリティ」などの提案もあり、野球をテーマに集まる人達のコミュニティがつくる賑わいに期待が寄せられました。
・応援練習会inハマスタ
新しい応援歌のお披露目や練習を非試合日のスタジアムで行なうというアイデア。ビジター戦や過去の名試合のパブリックビューイングと組み合わせて提案されました。これには野田からも「普段の試合に比べてパブリックビューイングの集客は不安に思うところもあるが、良いアイデアをもらいました」とポジティブなリアクションがありました。
・「関内だからできる」観光ルートに
このグループでは関内駅〜スタジアム〜中華街を一つのフィールドとした観光ルートづくりのアイデアを話し合ったそうです。
関内駅から中華街への導線上であるスタジアムにインスタスポットを作ったり、カフェ的なスタジアムフードの販売、さらにスマホをかざすと名場面や横浜の歴史を見られるQRコード博物館など、
アイデアが沢山盛り込まれた提案でした。横浜公園は人が通り抜けるだけの公園になってしまいがちなところに、憩いの場を作りたいというのは横浜スタジアム・藤井も共感するところでした。
・ハマスタで学ぶ「港町横浜」
このチームは若い世代に継続して横浜のこと/ベイスターズのことを伝えるために、子どもたちを対象にした課外授業の場としての横浜スタジアムを提案。スタジアムツアーのように建物内を回りながら、そこから眺められる横浜公園や海までの風景とともに横浜の歴史を学び、ベイスターズのストーリーを伝えていくというアイデアでした。お土産には横浜スタジアムのペーパークラフトを渡すのがよいのでは・・という話には横浜DeNAベイスターズ・野田も強く共感していました。
(後日談:ちょうど発表直前のタイミングで参加者の方にはお伝えできませんでしたが、横浜スタジアムのペーパークラフトを作っていました。
コチラ)
・リアル For Real
ベイスターズのドキュメンタリー映画「For Real」のロケ地をリアルに体感するというスタジアムツアーの提案を行なったチームもありました。
上林さんからは1種類のコースを回るだけでなく、「『投手コース』『野手コース』などいくつかのコース分けがあると何度も来たくなる、コンプリートしたくなるツアーになるかもしれない」
と期待感あるコメントも。
・ベイスターズオリジナルの飲食物を日常に
試合日にしか食べられないベイスターズオリジナルの飲食店を、ランチや夕食の選択肢にするためのアイデア。定時イベントと組み合わせることで日常的に人が訪れる場所にするというものでした。
日々新メニューや新企画の開発に奔走するベイスターズ・野田から「実は横浜スタジアムには普通の球場よりも多くの飲食店があります。
ベイスターズオリジナルフードを楽しんでほしい、という気持ちが嬉しかったです。」さらに、上林さんからは「オンライン投票で『ファンが考えるフード』が実現したら画期的」
というさらなるアイデアが出ました。
この日はスタジアムをツアーで巡ってからアイデアディスカッションを行なったこともあり、夢がありつつもリアリティのある沢山のアイデアが発表されました。ファン目線の提案を受けて、スタジアムの運営者として「スタジアムのため=球団のため、ではなく、みんなのため、として動く勇気をもらえました」というコメントも聞かれました。
ゲストの上林さんからも「ファンが集ってアイデアを出し、球団の人が聞いている。という状況はTHE BAYSならでは。他の場所や球団と比較しても一歩飛び抜けていて、日本のこれからのスタジアムづくりの基盤になっていると思います。共創のスタジアムをぜひ実現してください!」という熱いエールを頂きました。
このNext Ballpark Meetingイベントシリーズでは今回の「スタジアム内×非試合開催日」の組み合わせだけでないシチュエーションを想定したアイデアディスカッションを継続して行っていきます。 イベントに参加して、ぜひ皆さんのアイデアを聞かせてください。
Next Ballpark Meeting #3 with BAYSTARS Sports Accelerator
–試合日のまちに新しい仕掛けを!
申込み:https://creativesportslabevent019.peatix.com/
※定員になり次第、申込みを終了させていただきます
2020年2月14日(金)・15日(土) 2日間
一般:¥10,000/人(懇親会参加費含む)
CSL会員:無料(優先枠有)
今回のテーマは「スタジアム外×試合開催日」。試合が開催される日にこの街をもっとワクワクさせるためのアイデアをディスカッションしていきます。これまでのNext Ballpark Meetingの短い時間ではなかなか深堀りしきれなかったアイデアの精度を高め、実現性の高めるために、今回は「BAYSTARS Sports Accelerator」(ベイスターズ スポーツ アクセラレータ)のプログラムを取り入れた2日連続開催のアイデアソン形式で開催します。
〒231-0021 神奈川県横浜市中区日本大通34
みなとみらい線「日本大通り駅」2番出口より徒歩4分
JR京浜東北・根岸線「関内駅」南口より徒歩7分
横浜市営地下鉄ブルーライン「関内駅」1番出口より徒歩7分